ある中学校の養護教諭・莉生のもとにかかってきた一本の電話。
「あなたの学校には時限爆弾が仕掛けられている──」
その支離滅裂すぎる内容に、いたずら電話だと思った莉生だったが、後にその本当の意味を知ることになる──。
中学校。
絶対的権威をもつ教師と、従属的な生徒という関係性。
教師がプライベート空間を占有できるという死角の多さ。
そして生徒自身の、不安定で幼い精神──。
それらを利用した卑劣な性暴力、「スクールセクハラ」。
保健室で勤務する養護教諭の莉生は、かつてこの学校で行われていた事件を知っていく中で、今また、そのおぞましい行為が進行中であることを知る。
養護教諭という立場、学校という社会の閉鎖性、被害を隠そうとする被害者…、いくつもの壁が莉生の前に立ちはだかる。
被害の連鎖を食い止めるため、そして過去に被害を受けた人間を地獄から救い出すため、莉生の孤独な闘いが始まる──!
漫画家。綿密な取材をもとにした、社会派の作品を手掛ける。 代表作に『助け合いたい~老後破綻の親、過労死ラインの子~』、『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』、『陽のあたる家~生活保護に支えられて~』など。
神尾莉生
中学校の養護教諭。生徒に慕われている。校内での性暴力被害に気づいて…。
小松川紗月
莉生の学校に通う中学生。よく授業を抜けて保健室に来る。卓球部所属。
円城遥
莉生の学校の卒業生(?)。保健室あてに奇妙な電話をかけてきたのだが…。
杉崎
莉生の学校の教師。紗月の部活の顧問。教員からの評判も非常に高い。