松田奈緒子スペシャルインタビュー!!!
松田奈緒子が描いた家族(コミカルでシュールでちょっぴりハートウォーミング)と
恋(ゲロ花を吐くほどの片思い)
~『100年たったらみんな死ぬ』『花吐き乙女』~
Kiss LIVE!

TVドラマも放送中の『重版出来!』を「月刊!スピリッツ」で連載中の松田奈緒子さん。
Kissから2006年~2008年にコミカルでシュールでちょっぴりハートウォーミングな
家族の物語を描いた『100年たったらみんな死ぬ』(上下巻)を、
2008年~2010年に片思いをこじらせて苦しくなると花を吐く病気“花吐き病”
めぐる恋物語『花吐き乙女』(①~③巻)を発表されています。
(両作品とも電子書籍で発売中)。

松田奈緒子ワールドの源に迫るべく、両作品についてお話をおうかがいしました。


100年たったらみんな死ぬ
『100年たったらみんな死ぬ』
(上下巻)
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  花吐き乙女
『花吐き乙女』
(①~③巻)
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『重版出来!』のドラマ、マンガを読ませていただいた時もそうでしたが、
マンガ編集部の現場そのまんま!と思いながら観ています。


松田:
ありがとうございます。
スタッフの方々に本当に丁寧につくっていただいて感謝しています。


―ご自身で映像になったものをご覧になっていかがでしたか?

松田:
丁寧さに加えて、キャラクターをガシっとつかんで映像にしてくださって
いると感じました。マンガって先に向かって筆をすすめていくから、
描きながら“あぁ、この人こういう人か”と次第にキャラクターが固まっていく
ところがあるんですが、ドラマのほうは、既出の巻のすべてエピソードから
キャラクターをつくりあげてドラマの第1話からぶつけてきてくださるので、
はじめから私が今捉えている通りにしっかりキャラクターが固まって
いる!!と思いました。


―2006年から執筆された『100年たったらみんな死ぬ』(以下『100年~』
もすごくキャラクターが濃い作品ですが、どうやって生まれたんですか?


松田:
『100年~』は、デビューさせていただいた集英社さん以外ではじめての
連載作品です。「Beth」という新創刊のマンガ雑誌が講談社から出るということで
お誘いいただきました。それまでは≪こんなシーンを描きたいな~≫とふわ~と
イメージをつかんで作品を描いていましたが、この作品は生まれたキャラを配置して
いったらこんな形になりました、みたいな風にできた作品です。


100年たったらみんな死ぬ
100年たったらみんな死ぬ
100年たったらみんな死ぬ
『100年たったらみんな死ぬ』上巻冒頭5p~10p
お父さんはこのあと老人ホストに!
意外な展開の連続の中でそれぞれの人生の本当に大切なものが浮かび上がるストーリーです。

―キャラクターをつくったり、彩ったりしていくときはどんな作業をしていきますか?

松田:
『100年~』もさすがに“家族ものにしよう”という大きな大きな枠は
設定しました。そこからどんな家族にしようか…と想像していきます。
だいたいはネームや原稿を描きながら、この人はこういう人なのかなーと
想像が広がっていき、キャラクター一人一人の人格がより浮き上がってきます。
なので、私の作品はどんどん横にお話が広がっていきがちです。


―たしかに、『100年~』『花吐き乙女』『重版出来!』も中心軸は
ありつつ、その空間にいるキャラクターに主役がスライドしてお話が
広がっていきますね。


松田:
すべてのキャラクターに抱えているドラマがあるハズと思って描いているので、
私のマンガにはいわゆる“モブ”と呼ばれるような人格がないキャラはほとんど
出ません。なので、主軸の流れのためにここで誰かにこういう趣旨の発言をして
もらおうかみたいな感じで物語を描けないです。ちなみに『100年~』
家族という枠組でキャラクターたちの関係性を作ったのは、立ち位置の違う視点で
ひとつのもの(家族とは?)をのぞきこむとおもしろいかなと思ったからでした。


『花吐き乙女』は、はじめて読んだときに、ロマンチックな感情をこんな形で
表現するなんて!と驚きながら夢中になりました。


松田:
この作品の設定は別の雑誌で一作描いて気に入っていたもので、『100年~』
終わった後にKissにとお誘いいただき、また一から描いてみました。
とはいえ、基本的に私は恋愛のひっついたり離れたりを描くのが苦手……。
なので、成就してからのあれこれでなく“片思い”をどう表現するかという
お話になりました。『花吐き乙女』は特に、花を吐くというシーンの美しさが
大切だと思っていたので、うーん、だれかこのシーンを私の代わりに美麗な
絵で描いてくれないか…て思っていました(笑)。その後、pixivで好きな
カップリングで花を吐かすのが定着して、時々のぞいては、今でも美麗な絵を
描いている方にうっとりしています(笑)。


―花を吐くという発想自体はどうやって思いついたのですか?

松田:
花を吐くという発想は、実際に自分が今の旦那と恋愛したときに、
あまりに相手のことが好きで「ゲロ吐きそう、でも吐くなら花とか
きれいなもの吐きたいぜ」
と思ったからです。


花吐き乙女
『花吐き乙女』1巻p104、105
恋心はじけるゲロ花吐きシーン!

―なんと実体験からの発展!「花」というモチーフがすごく少女漫画的ですよね。

松田:
はい、確かに少女漫画と花は密接ですよね。アシスタント時代、バラの花が
うまく描けなくて、何度も買ってきては写生していました。
あと、子供の頃、団地に住んでいて、団地って1階に花壇があるじゃないですか。
そこの花を親が手入れしていて、結構な頻度で学校に持たせてもらっていたんです。
で、教室に持っていったらみんな喜んでくれた。その様子を見て私も嬉しい。
そんなところから花と自分の距離が近くなっていたのかもしれません。


『花吐き乙女』のあとがきマンガにも松田さんと花のエピソードがありましたね。

松田:
そう、木H先生こと、木原敏江先生のところでアシスタントさせていただいたときに、
先生の花に対する価値観は印象的でした。あと、これもおまけに描きましたが、
ネームができないときに花を飾ったら一発でできたというエピソード、
今でもゲン担ぎ的にネームに入るときには必ず花を買って飾ってます。
そう思うと、自分と花の距離が結構近いですね。
なので、自然と“吐くなら花”って言葉がするりと出てきたのかもしれないです。


―現在は青年誌で『重版出来!』をお描きになっていますが、少女漫画と
青年誌での違いみたいなものはありますか?


松田:
青年誌の読者の方って作家名よりも比較的作品先行で読んでくださっている
印象があります。なので、青年誌で描き始めてから“松田奈緒子の作品が好き”
と作家名で読者の方から感想をいただけるのは凄いことだなというのを改めて
感じました。自分の描く世界そのものを好きでいてくださる読者の方って
本当にありがたいです。デビューからずっと女性誌で描き続けてきたことと、
ずっと読んでくださっていた読者さんの応援が私のマンガをつくってくれた気が
しています。だからこそ、自分にしか描けない世界を大切にしたいなと思いました。


―なるほど。ちなみに各作品で思い入れのあるシーンはありますか?

松田:
『100年~』で思い入れのあるシーン…あっ、この名和田くんが住んでいるボロ家、
自分が昔住んでいたアパートをそのまま描いてます。懐かしいなー。
個人的に足首とか足の指とか描くのが好きなので、『花吐き乙女』は、裸足や
お草履など足がよく見えるのが見どころ…(笑)。あれ、シーンじゃないかも。


100年たったらみんな死ぬ
『100年たったらみんな死ぬ』下巻17p
これが旧松田家!

花吐き乙女
『花吐き乙女』2巻p42、p134
『花吐き乙女』に出てくるカイラくん、かなりの頻度で裸足…。

―笑。でもそういう漫画家さんにしかわからないこだわりをお聞きできるのは面白いです。

松田:
笑。シーンではないですが、『花吐き乙女』でずっと片思いしている寧々子ちゃんが
恋愛ごとに関して、結構図々しい物事の解釈するところ好きです。
あと、人を好きになれない8話のイジワルな女の子のお話や10話のイルカと
恋するお話も好きです。あれ、やっぱり恋愛の王道ではない感じに…。


―付き合う付き合わないの押し引きの話ではなかったですけれど、
とてもロマンチックなお話だと思います。


松田:
ありがとうございます、そう言ってもらえると
救われます…(笑)。基本的に描いたら満足なタイプで、自分の作品を読み
返さないので、このインタビューで久々に『100年~』『花吐き乙女』
読んで、本当に懐かしい気持ちになりました。
今見ると、デッサンにひやひやするところもあれば、おぉ頑張ってここは
描いているね!と思うところもあったりして。久々に過去と対面しました。
でも、お話の作り方やキャラクター造形など『重版出来!』の原型になっている
ところも多々ある気がします。両作品とも電子書籍でリリースしておりますので、
よかったら読んでいただけると嬉しいです。


―ありがとうございました。

『100年たったらみんな死ぬ』(上下巻)
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大好評配信中!!!!!


100年たったらみんな死ぬ
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