舞台は江戸時代、芳町。男が春を売る陰間茶屋・紫扇楼の跡取り娘である一花はある日、川で溺れている美少年——『のあ』を助ける。だが、彼は紫扇楼に陰間として売られる道中だった…。『あたしがのあを助けたから、のあは陰間になった』やがて一花は楼主として紫扇楼を継ぎ、のあは売れっ子陰間になる。欲望うずまく芳町で、因果の糸に絡めとられていく二人。楼主と陰間、決して結ばれてはいけない禁断の江戸情話。