交差点の信号は赤
はんざき朝未
(神奈川県・37P)
高校卒業を控えた優等生・ユカがやり残した、ただ一つのこと。それは「非行に走る」ことだった。彼女は同級生一の不良・池田(いけだ)に「仲間にしてほしい」と頼み込む。突拍子もないユカの申し出を池田は相手にしないが、次第に彼女のペースに巻き込まれていく。ユカは以前に町の交差点で見かけた、バイクに乗る池田の“子どもみたく怒っているような、泣いているような表情”に心惹かれていた。やがて2人の関係は他の不良に知られてしまい…。
キャラクターのかけあいが面白くセンスを感じました。主人公の新しい発想に惹かれていく不良の池田という組み合わせは上手くいっていると思います。どこまで真面目だか分からないような描き方なのに、キャラクターの個性にブレがなく一貫性があります。全体的にパロディ感が漂いつつも、しっかりと感情が伝わる作品になっています。恋愛というものをやや付き放し気味に客観的に描いたら、何か面白いものができるのではないでしょうか。ただ、変形ゴマの多用が作品を読みづらくしている、ギャグとシリアスの使い分けが中途半端なところがある、作品のテーマが分かりづらいなど、技術的にはまだまだ改善できる点があります。恋の行く先がどうなるかを見たかったのですが、そこからずれてしまったのも残念でした。荒削りな技術の面をしっかり整えていき、内容がハマればデビューは近いと思います。次作を期待しております。
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平安米光
(大阪府・43P)
高校生の芽子(めいこ)はバスケ部のイケメン・高島(たかしま)に告白するが、「今は勉強と部活に集中したい」と言われフラれてしまう。しかしそれは口実で、高島は別の女子と付き合っていた。芽子に想いを寄せる達朗(たつろう)は、ルックスはイマイチ冴えないが心の優しい男子で、密かに女子にモテていた。しかし芽子は外見が好みではないと関心を示さない。達朗は昔話『舌切り雀』の大きいつづらと小さいつづらに例えて、芽子は大きいつづらばかりを選んでいると諭すが…。
ぱっと見の直観でしか人を好きになれない女子が、何度失敗しても変われないという設定は、とても面白かったです。ラストの「わたしの愚かさをわかっていて、わたしを好きでいてくれた人を好きになれない」というところにグッときました。ダメなところを知っていても「好きだ」と言ってくれた達朗を選べない業みたいなものが良く描けています。このシニカルな描きっぷりは個性的です。こういう話でありながら暗い印象を与えない絵柄も良いと思います。ただ、キャラクターの感情は伝わってくるのですが、やや理屈っぽくなっていて、共感するというより納得する読み味の作品になっているようにも感じました。コマの構成が少し単調で、セリフ劇になってしまったような印象を受けます。次作では漫画的な見せ方、緩急のある構成、カタルシスのある展開を留意してみてはいかがでしょうか。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開! 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス!また、評判がいいと本格デビューに近づきます!! (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う2つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも2倍!
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい!
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