第2次思春キ
ペップル
29歳(埼玉県・26P)
上京して10年。雑貨屋で働く野口さん(28歳)は、仕事の評価は高くそれなりに楽しく暮らしてはいるが、出不精で半年間、休日に外出していない。仕事場の仲間から「老人の隠居生活みたい」と言われ、自分でも不安に感じ始めた時、部屋の収納棚から昔買ってもらったポラロイドカメラを発見する。あるSNSのサイトで見た、ポラロイドで撮られた写真に魅せられた野口さんは、ポラロイドカメラを持って外の世界に出ていく。そこで見つけたものは…?
思春期のような感性で描かれた可愛らしい登場人物たちと現代の若者のモヤモヤした悩みの中に、ファンタジー要素が絡み作家独自の世界を築き上げています。一人称で描かれる作品は得てして冗長になりがちですが、適度な長さでテンポよくまとまっており、小気味良く読めました。都会に出てきて、ふと目標を見失いつつあった主人公が、些細な、しかし本人とってはとても重要な気づきによって、前向きな気持ちになっていく。その過程が無駄を排した表現の中で、とても伝わりやすく描かれています。作画に関しては評価が分かれました。シンプルに見せていく表現は確かに作者ならではのものなのですが、見方によっては簡素すぎるように思えました。次回はより作品のスケールを広げた、複数の人物が絡み合ってくるような作品を読んでみたいようにも思いました。
で無料公開中! 作品のご感想をお聞かせください!!ジェミニの憂鬱
山口波子
28歳(長野県・40P)
自分と同じ顔をした人間がもう一人いることの苦しみ。それは生まれながらに人より多く、生きづらさを抱えるということ――。双子の姉妹、綺音と琴音は高校に入学したと同時に演劇部に入部する。明るく美しく周りが惹きつけられる妹・琴音に対して姉・綺音はどこか暗さが感じられる地味な存在だった。琴音は演劇部でも主演女優に抜擢されたうえに綺音が秘かに想いを寄せていたタケルとも交際を始める。綺音は琴音に嫉妬心を募らせて…。
古典的なホラー漫画の絵柄、ストーリーで描かれたこの作品は、講評会でも大変な反響を呼びました。作風には現代的な感性はあまり感じないのですが、作者の意図はそこにあり、見方によっては他にない独特の個性として異彩を放っています。姉妹の確執から起こる悲劇という展開は定番のものながら、全編に漂う不穏な空気は、なかなか出せるものではありません。今作も面白く読めたのですが、定番の展開であるだけにオチが途中で分かってしまいました。読み筋を外すような工夫も今後必要かと思います。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開! 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス!また、評判がいいと本格デビューに近づきます!! (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う2つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも2倍!
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい!
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう!