赤いマフラー
増岡
28歳（京都府・28P）
高校の同級生・伊藤君が結婚するというニュースと共に、同窓会の案内が送られてきた。会社で自己主張できないことを諫められた橋本さんは、気分転換に久しぶりに出席することにし、卒業式の日に告白した伊藤君のことを思い出し――。
赤いマフラーをモチーフとして上手く使い、繊細な感情を切なく、しっかり地に足をつけて描けていました。大きな事件が起こるわけではないのに、いきなり告白してしまうシーンや、伊藤君にもらったマフラーを同僚にあげてしまうシーンなど、不意を突かれる演出や読み筋の上手い外し方で、飽きずに読んでいけます。次は、画力のレベルアップともっと先に踏み込んだお話作りを心がけてください。
木曜日、コーヒーと
中村はな
29歳（茨城県・37P）
研究室が早く終わる木曜日、お気に入りの喫茶店に毎週通う七瀬。一流大学の院生だが、就活に挫折して院に進んでおり、就活に失敗したこと、そんな理由で院にいること、勉強しかできないことにコンプレックスを感じていて…!?
伝えたいテーマがよくわかり、破綻のない構成でまとまっていると思います。ただ、勉強しかできない設定のヒロインがそうは見えず、ヒロインを救うカフェの店員さんもキャラが薄く、登場人物達に魅力が欠けるのが難点。自身の問題を他人に語って、良い言葉をもらうことで解決するという展開も、読者と世界観を共感しにくくなってしまっています。「トラウマ」以外のテーマでの作品を見てみたいです。
２１
加藤菜月
22歳（愛知県・16P）
美容院アシスタントのゆず、留年生ののり子、OLをやめて夜職の佐藤。お金がなくても気に入った新作コスメがあれば買ってしまうし、彼氏がいてもクラブに遊びに行くし！21歳の女子３人組の、恋と消費と遊びの日常。
若い女子の「最強感」が画面から溢れてくるようなライブ感があり、リアルな女子がとても生き生きと描かれています。ネームセンスも良く、コマ割りにも独自の工夫がみられて面白いのですが、場面の繋ぎやストーリー構成はもっと洗練させてほしいですし、絵も雑な印象を受けるので上達していけるよう努めていただきたいです。次回作に期待しています。
秘密、みえたの。
利鳥コト
30歳（東京都・40P）
霊が視える体質である恵谷は、大学のサークルの後輩の美少女・美雪にいつも複数の霊が憑いているのが気になっていた。話してみると、美雪は冷房代わりにワザと霊を憑けており、除霊の力も持っていることがわかる。実は恵谷は、幼い頃に亡くなった妹の霊と住んでいて……。
ホラー要素と感動、コミカルさとシリアスのバランスが良く、霊や死という題材を扱いながら明るい読み味なのも良かったです。ヒロインが主役の男の子の問題解決にもっと関わってくれるとドラマがより深くなったと思います。絵柄については要所でハッとする表情や、雰囲気のあるシーンが描けていますが、もっと画力を上げていただきたいです。
Stage
にれはら夢じ
35歳（愛知県・40P）
高校生の梨奈とあきらは幼なじみで、梨奈の母が教えるバレエ教室に一緒に通っている。幼い頃、踊る梨奈に憧れてバレエを始めたあきらは、梨奈を上回るような才能の片鱗を見せた。気が強くリーダータイプの梨奈は、あきらをクラス内で孤立させる等の牽制をし――。
才能を争うことの残酷さをとても上手く描けており、絵柄もきれいで読みやすく、よくまとまっています。ただ肝心の、2人のヒロインがどれだけバレエが好きなのかを示すようなエピソードが弱く、テーマの説得力や盛り上がりも弱くなってしまっています。絵にバレエならではの躍動感や、ワクワクするようなコマがなかったのも残念。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開！ 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス！また、評判がいいと本格デビューに近づきます！！ (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う２つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも２倍！
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい！
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう！
第30回(2月15日消印有効)審査員：谷川史子さん
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