いせいのともだち
はんざき朝未
（神奈川県・36Ｐ）
「ハツキス」10号（3/25配信）に掲載決定！
男女間の友情は成り立たないというのが持論のさゆり。転職後、既婚の元同僚・ヨシオとはたまに会っていた。恋愛感情はないと思っていたさゆりだが、彼が二人で会う時に性欲抑制薬を飲んでいることを知ってしまい…！
「男女の間に友情は成立するのか？」という古典的テーマの作品ですが、「ダンジョナイ」という性欲抑制剤を使ったところに面白さがありました。ストーリー展開力と読みやすい絵柄は、選考にあたった部員たちにも高評価でした。一方で、強く印象に残った「ダンジョナイ」に比べ、登場人物の実在感はありましたが、地味であまり印象に残りませんでした。普通の人を描くにしても、キャラのない普通の人ではなく、キャラのある普通の人を描く意識をもつと、話に躍動感が生まれ、面白みが増すのではと思います。
読んで、まず最初に感じたことは「すごく自然に人間を描ける作者さんだなあ」ということです。会話がうまい。そして何気ない人物たちの仕草や構図もうまい。画面の中で本当に人間が生きてるみたい。“人間”を描けることは作家を続ける上で最も重要なことだと思います。薬の小道具の使い方も切なく、面白かった！ 人物たちの目の描き方にあと少し華やかさを足したら、もっと切なさが際立つと思います。次作を楽しみにしています！
君のネイルは無色透明
さとうさとし
28歳（神奈川県・41P）
スポーツ用品店で働くケイ。世話焼き気質で、仕事に熱中するうちにいつの間にか28歳に。そんなある日、最近常連になった大学生の野球部員・コウタの爪の手入れをしてあげるうちに、８つ下の相手にときめいてしまい…。
意外な展開や印象に残るキャラクターは描かれていなかったですが、王道の恋愛物語を破綻なく気持ちよく描いていました。絵柄も丁寧で見やすいです。短くまとめる構成力や演出力が身につけば、即戦力になれる才能です。
うす紅藤
草枕
32歳（京都府・38P）
小説家の天狼を夫にもった真珠。子供が病死しても仕事にかかりきりだった勝手な夫と別れることを決め、ついに離婚届を出す日。役所からの帰り、二人で歩くうちに、真珠の頭には今までの天狼との想い出がよぎる――。
画面を彩る花や装飾はとても凝っていて、雰囲気のある作品でした。最後まで読むとぐっときます。ただ、雰囲気に頼って重要な心情描写などが軽く見えました。天狼という人物も、もっと魅力を掘り下げてほしかったです。
土と女子高生と私のこと
小蜜こころ
31歳（愛知県・34P）
陶芸初心者なのに、陶芸部の顧問になってしまった高校教師・市瀬。部員の皆が実用的な器を作っている中、ひとり不思議な造形の作品をつくる生徒・さゆを見つける。自分でも自分の作るものに戸惑うさゆに、市瀬は…。
描きたいものへの熱量がひしひしと伝わってくる作品でした。印象に残る場面を描けていましたし、絵に華やかさもあります。テーマを物語に結び付ける力と、他のテーマでも同じように描ける熱量を身につけてください。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開！ 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス！また、評判がいいと本格デビューに近づきます！！ (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う２つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも２倍！
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい！
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう！
第31回(3月15日消印有効)審査員：高須賀由枝さん
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