はるとひみつ
中村はな
29歳(埼玉県・32P)
大学卒業を翌日に控えた女子大生、小晴と文。いつものように訪れた学食で、男なの?女だった!などと囁き声が聞こえる。文の見た目はボーイッシュでカッコいい。小晴はそんな文に対して、ずっと感じていることがあった。しかし、それを文には言えないでいて…?
前作よりもキャラクターが生き生きして、力強く筆がのっており、とても成長を感じました。爽やかで読みやすかったですし、テーマがはっきりしており、テーマに向かって真摯に話を作る力もあると思います。しかしテーマそのものへの踏み込みが浅かったです。男の体になりたいと、最後に打ち明けてくれた友人・文に対し、薄々そういったものを抱えているであろうことを察しながら、敢えて踏み込まず、適度な距離を守った友人関係は好感が持てました。ただ、関係性はそうであっても、テーマ自体はもっと掘り下げて描けるようにしましょう。
コイデハスクワレナイ
大友世界
37歳(神奈川県・53P)
憧れの先輩に、何とか接触しようと一所懸命な唄。唄の母は水商売で、家には母の彼氏なのか客なのか、酒臭いおじさんがいる。おじさんは唄に手を出したくてたまらない様子で、母はそれを諫めるどころか、受け入れて自分の食い扶持をかせぐべきと思っている始末。そんな生活の中で、先輩の存在は唄の唯一の希望だったのだが!?
コマ割りの見にくさ、視点が唄と母とで頻繁に入れ替わることで読みにくさもありましたが、前作よりかなり見やすくなっていました。割れた瓶を両手に持つ見開きはかなり迫力があって良かったです。勢いと熱量を感じました。読ませる力があると思います。親子関係も良く描けていました。ただ、母娘ふたり分の異なる問題を解決しようとしたことで、どっちつかずの印象になり冗長になっているのが残念。先輩のキャラや唄と先輩との絡みも良かったので、今後、そういった恋愛ものも見てみたいです。
フェイクファー
緑川さき
32歳(東京都・48P)
ちよが6歳の時、両親が離婚し、引っ越した先の隣にはお城みたいな素敵な家があった。そこのお母さん・ひばりはお姫様みたいで、同い年の男の子・つぐみは鳥かごを大事そうに抱えていた。14年後、つぐみが一人で暮らすその家で、ちよは家政婦をしていた。そこに、つぐみの母方の従姉弟・つばさが急にやって来て――。
絵柄がとても可愛くて、1コマ1コマ丁寧に描かれており、描き手の一所懸命さが伝わってきて好感が持てました。しかし、コマやネームが多すぎて読みにくく、視点が頻繁に変わり、過去と現在を行き来するので、内容を把握しにくくなっています。色々なエピソードが絡み合って展開していくのでなく、断片的に並べたようなつくりになってしまっており、キャラクター同士の関係性や、話の本筋、テーマもわかりにくかったです。画面と構成を整理し、テーマをしっかり絞り込むことを第一に心がけるようにしてください。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開! 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス!また、評判がいいと本格デビューに近づきます!! (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う2つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも2倍!
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい!
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう!