岸辺のアイリス
かわはらゆき
38歳(東京都・36P)
人魚のアイリスと妹のイベリスは、人間の男と人魚の母との間に生まれた子で、人間の脚をもっている。他の仲間とは違う脚を気に入ってもいたが、脚を人魚の尾に変えられるアイテムを見つけ、それを試してみようとする。その矢先、妹ともども地上の釣り人に釣りあげられてしまった。彼との出会いがアイリスを変えていき…。
展開が速く、やりとりが軽妙で、先を読ませるエネルギーのある作品でした。一方で人魚の世界のシステムがわかりにくかったり、主人公の気持ちも追いづらかったり、ともすると読者を置いていってしまう面もあります。描きたいものがあり、それを描くパワーがあるのはとても良いことなので、今後はそれを上手に読者に伝える手法を身につけてほしいです。作品の中心をしっかり見据えて、全体の構成を考えてから描いてみてください。
シナモンロールをどうぞ
さとうさとし
29歳(神奈川県・38P)
大学の購買部のパン屋さんで働いている28歳の恭平(きょうへい)。学生からは密かに「パンの君」などと呼ばれているが、未来への展望のなさに不安を感じる日々だ。そんな中、恭平の担当するシナモンロールを一番好きだと言ってくれる女子学生に出会う。才能あふれる彼女と時間をともにする中、恭平の迷いはどんどん大きくなっていき…。
コメディ感のあるセリフにセンスを感じます。地に足のついた描き方で、人物の内面を等身大の視点でしっかりと描いている丁寧さも魅力でした。その丁寧さを保ちながら、今後はもっと派手さのある作品を描いていってほしいです。コマ割りやカメラワーク、絵柄そのものなど、まだまだ改善の余地がありそうです。まず、自分が好きな場面や人物の表情などを、読者の印象に残すことを強く意識して描いてみてください。
恋は矢継ぎ早に
高田葉月
23歳(大阪府・28P)
高校教師の川島(かわしま)は弓道部の副顧問だが、弓道の経験はない。本来の顧問が入院中で、指導できない彼女は練習を傍観するのみ。部長の辰巳(たつみ)の不調に気づいた川島は、その辰巳から「先生に指導は期待してない」と言われて発奮、弓道の勉強を始める。そして辰巳の不調の原因が「好きな女の子」にあると知った川島は…。
登場人物にふとした色気があったりして、読んでいてキャラを好きになれる漫画でした。それだけで成功しているともいえますが、その分逆に、ラストの部分で一気に突き放されてしまった印象も受けました。こういうラストなのでしたら、やはりドラマの途中で恋愛感情がくみとれるようなシーンが必要だったかと思います。感情を描く漫画では、展開で読者を驚かすよりも、読者が感情に寄り添って読んでいけるように描くことが大切になっていきます。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開! 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス!また、評判がいいと本格デビューに近づきます!! (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う2つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも2倍!
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい!
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう!