今日も漕ぎましょう。
さとう梢
35歳（北海道・32P）
クロスバイクを始めようと思い立った相田は、たまたま入ったサイクルショップで中学生の時の同級生・前田と再会する。彼はショップ店員で初心者の相田の相談に親身に乗ってくれる。その流れで週末に山へツーリングに出かけることになった２人。初サイクリングのキツさに悲鳴を上げる相田だったが、美しい景色、開放的な雰囲気に心が癒やされていく。彼女には最近、酷い別れ方をいた彼氏がいた。それを知った前田は……。
とても可愛い絵柄で、人の良いキャラクターが描けるところが最大の魅力です。コロナ後を思わせる舞台設定、見せ場を一枚絵で見せる絵場面への意識などもとても良いと思いました。キャラクターの感情を丁寧に積み上げていき臨界点で一気に溢れさせる、そんな恋愛漫画を描ける方だと思います。ただ今回の読み切りの場合、少し欲張りすぎた感もあります。再会した２人、クロスバイクの魅力、相田の傷心、新しい恋の始まり。これだけの要素が32ページの中に入っているので、全ての要素が消化不良になった感がします。前田との恋愛要素は少し背景において、相田の失恋と再生のためのクロスバイク。この２つの要素をポイントに描いたほうがより作品の完成度は上がったように思います。ラスト付近で相田への恋愛感情をショップ仲間に浮かれて話す前田の態度にも賛否がありました。前回の投稿作より絵と作画とも格段の進歩があります。なるべく間隔を空けずに次回作に取り組んでください。
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ハッピーマリッジブルー
宮 まゆこ
25歳（東京都・42P）
出来る仕事人として上司の信頼も厚い川北さん。人柄も良く会社の同僚からも慕われているが、終業後の付き合いは今一つ。実は彼女にはひそかな楽しみがあった。それは大好きなアイドルの映像の鑑賞会をすること。ハードな仕事の疲れも推しによって癒やされる彼女。しかし念願の武道館公演を目前にして結婚報道が流れて……。
推しを失った主人公の気持ちが丁寧に描かれていて良かったです。辛さと前向きさが混在したような『ハッピーマリッジブルー』というタイトルのセンスも良いと思います。溌溂としたテンポと演出で楽しく読ませた前半部分と比べ後半、彼女が立ち直るきっかけとなるバーのマスターとのエピソードはやや停滞感がありました。マスターの言動が今一つ心に響かず主人公との関係性も強い繋がりができていません。そのため前半部分の印象が強いバランスを欠いた作品になっているように思います。「推しが結婚してしまってショック」という設定は投稿作の中でもよくあり、その中で作者ならではの新鮮さを出せているのは実力がある証だと思います。さらに上のレベルを目指して頑張ってください。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開！ 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス！また、評判がいいと本格デビューに近づきます！！ (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う２つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも２倍！
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい！
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう！
第50回(10月15日消印有効)審査員：ひうらさとるさん
