押し入れのばあちゃん
樹原真理
(41P)
人からどう思われるかを気にしてばかりの人生を送ってきた里中優子。会社員になってもどこか会社に馴染めずにいる。そんな優子の同僚でシルバー採用の筒井さんは、いつも元気で華やか。そのにぎやかなオーラに気圧されていた優子だが、ひょんなことから筒井さんが自分の住む社員寮のお隣さんであることが発覚!誰彼かまわず部屋に招きいれ、明るい笑顔を振りまく筒井さんに、優子もいつしか自分の気持ちを伝えられるようになり……?
モノローグの言葉選びが丁寧で、人と人との繫がりを大事に描きたいという思いがまっすぐに伝わってきます。人とのコミュニケーションが苦手という主人公を軸に物語が進みますが、なぜ苦手なのかといった具体的なエピソードが薄いので、後半で自分の気持ちを相手に伝えられたときの快感が弱かったのが残念です。人とのやりとりに臆病になってしまった理由など、主人公の背景すべてを描き出す必要はありませんが、ご自身の中ではもう少し掘り下げていた方がキャラクターの設定に厚みが出ると思います。登場人物の多さに対して各キャラの印象が薄いのも、個々の背景の絞り込みが足りていないせいかと感じます。絵柄に関しては柔らかい空気感が最大の武器だと思いますので、トーン処理やベタの美しさなど、一層の向上を目指して頑張っていってください。
で無料公開中! 作品のご感想をお聞かせください!!冬のはじめのふたりごと
さとうさとし
29歳(神奈川県・42P)
大学の学生課で働く真子がちょっぴり気になる男子学生・浮瀬たまき。忘れ物常習犯でたびたび学生課に顔を出すため、名前も覚えてしまった。そんなある夜、真子のマンションに『添い寝サービス』の予約を受けたと突然たまきが現れる。予約の記憶も定かではなく追い返そうとする真子だが、寝る場所がないという彼を渋々泊めることに。恋愛にも人生にも省エネモードの真子だったが、添い寝で感じたたまきの体温が忘れられなくて……?
扉ページをめくった瞬間から、人当たりが良く誰にでも好かれそうな男性キャラと、公私ともに慎重な性格が窺い知れる主人公キャラの描き分けが明快で、読者を一気に物語に引き込む力を感じます。セリフのリズムもよく、心地よくネームを読ませるセンスがとても素晴らしいです。『添い寝サービス』というハプニングを仕込みつつも、物語としてちゃんと納得のいくラストが用意されていた点も良かったです。何度か投稿頂いている中で絵柄の可愛らしさも増しており向上が見られますが、もう少し線を迷いなく美しく引くことを意識されるとよいかもしれません。また、口元の描き方が単調ゆえに拙く見えるのももったいなかったです。横顔や流れる髪の毛の表現などはとても艶がありますので、重ねた手の表現など細かい部分にも気を配れるよう頑張っていってください。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開! 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス!また、評判がいいと本格デビューに近づきます!! (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う2つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも2倍!
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい!
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう!