夢のあとさき
星名里帆
33歳(東京都・42P)
『Kiss』または『ハツキス』に掲載決定!!(号数未定)
加藤のばらは東京の美容室で5年間働いた後、退職。田舎)の亡くなった祖母の家で一人暮らしを始める。のばらはその家の庭先で中学1年生の新田蘭子と鉢合わせする。可愛い容姿とはうらはらに口が悪く自由奔放な蘭子は家に上がり込み、野ばらを翻弄するが、のばらはどこか憎めない蘭子と次第に親しくなっていく。そんなある日、辞めた美容室の後輩・温尾 慎から電話がかかってきて…。
星名さん、デビューおめでとうございます。可愛いものを描きたい気持ちが強い方だと思っていたら、可愛い中には強さも弱さも焦れったさもあって。星名さんの隠れた部分がやっと外に出てきた作品だと感じました。ただ、それに気付けたのは私達が何作品も投稿作を読み続けているからです。きらきらした可愛い絵に、星名さんの「伝えたいこと」がまだ隠れてしまっています。これからは魅力のある絵を武器に、読ませるべき内容を時には抑えた画面で表現するなど、絵柄と表現の緩急を学んでいきましょう。
25歳くらいの頃は漠然とした不安があったなぁ。
グローバルな視点の不安ではなく、あくまで自分の感情に振り回される不安というのでしょうか。
一般的には大人の年齢なんですけど自身に置き換えると反抗期がやっときたみたいな暴れん坊メンタルでしたし。世界とか知らん。私の心がいま忙しい…そんな日々を思い出しながら読みました。とても丁寧に美しく描かれた髪の毛のラインや編込みはのばらが好きで始めた美容師というお仕事へのきっかけや、今も手放し難く後ろ髪を引かれることへの説得力に繋がると思いました。
蘭子の行く末を案じて祈れるのばらは十分に立派な大人だと思うので、のばらも腐らず頑張ってほしい。あの頃の自分を勝手に重ねて書いています。素敵な作品、ありがとうございました。
いつか違う形で逢えたら
古川せい
(愛知県・36P)
会社員・深海 春には毎朝出会うライバルがいた。それは朝の通勤電車で一人分空いている席を奪い合う相手だ。彼女は毎日の勝敗をグラフにしているのだが、今月も負け越し。深海は毎朝、同じ時間に通勤電車に乗ってくること以外、彼女の詳細は知らない。しかしある日、ライバルとの別れが!?
毎日が淡々と流れて行ってしまいそうな苦しさがリアルに描き込まれていて引き込まれました。対して通勤電車の席取り合戦はユーモラスに楽しく描かれており、描けるものの幅が広い方だと思います。ラスト、再会したライバルとの交流がもう少し見たかったように思います。
少女漫画に出てくるような男子育成部
狙井
(北海道・36P)
文芸部だと思いこんで入部した高校1年生・黒谷。しかしそこは少女漫画的男子を育成することだけを目標にして設立された部だった。女子部長・鬼塚の元に集う育成男子たち。鬼塚のまるで少年漫画のようなスパルタ訓練で鍛えられる黒谷は、果たして立派な「少女漫画に出てくるような男子」になれるのか?
まず「育成部」という設定が秀逸です。意に反して部活させられる黒谷にキャラもとても柔軟で愛らしさ全開で良いと思います。ギャグもお話の展開も投稿を重ねるたびに洗練さを増していると思います。作画に少女漫画的なキラキラ感、トキメキが加わると無敵となるでしょう。
夢追い人のぶるうす
さとう梢
(北海道・39P)
星川ひかりは上京10年目の売れないシンガーソングライター。不倫を重ねつつ業界にしがみついている彼女の元に、田舎の同級生の結婚式でオリジナル曲を歌ってほしいという依頼がくる。安定した幸せを求める同級生をバカにしていたひかりだったが、彼女たちのほうが夢を実現していることに気付いて…。
王道のストーリーをテンポよく読ませてくれる作品です。読後感もよく主人公の心情も伝わってきて素直に応援したくなりました。ただ今回は課題を手堅くこなした感もあり、物語に新鮮さは感じませんでした。デビューには作家ならではの視点、意表を突くような物語展開も必要かもしれません。
毎月TOP賞の作品は、Kissのホームページ上にて公開! 写植の入った自分の製版原稿が見られ、担当編集者と読者からの感想を受け取れます。 多くの人に自分の原稿が読まれるチャンス!また、評判がいいと本格デビューに近づきます!! (※TOP賞が出ない月もあります。)
Kiss・ハツキスという姉妹誌の新人賞を統合!! 王道系女性漫画雑誌「Kiss」と、【初】をコンセプトにした刺激的マンガ雑誌「ハツキス」。 系統の違う2つの漫画雑誌にまたがる賞なので、チャンスも2倍!
入賞したら必ず担当編集が付きます!! 早い段階から担当編集がついて漫画作りをサポートすることで、デビューしてからも 活躍できる底力が身に付きます。選外でも、編集者の目にとまれば担当がつくことも。
選外の作品にも必ず、講評シートで丁寧にアドバイス!! 選外でも、編集者直筆の講評シートがついて原稿が返送されるので、 次の作品作りの指針が見えやすい!
デビューが決まると、月間審査員の先生からコメントがもらえちゃう!